
れんこんは、水生植物の「ハス」の地下茎が大きくなったもので、食用として栽培されるようになったのは江戸時代の後半からといわれています。
岩国地方では、当時藩主だった吉川家の家紋が、れんこんの切り口に似ていたことから栽培が推奨され、土壌などの自然条件が栽培によく適合したことで、れんこんの名産地として広く知られるようになりました。
収穫の最盛期は、秋から冬にかけて。身を傷つけないように、専用のクワを使って手作業で行われます。丁寧に掘り起こされた「岩国れんこん」は、泥の中で育ったとは思えないほどきれいな白色で、穴が普通のれんこんよりも一つ多い9個あることが特徴。“より見通しが良い”ことから、おせち料理やお祝い事用の食材として需要が多く、出荷も年末年始にピークを迎えます。

「岩国れんこん」は、風味が豊かで、身にもっちりとした粘りがあるのが特徴。輪切りにするとシャキシャキとした食感が、すりおろすと滑らかな舌触りで甘みが一層引き立ちます。また、強火で炊き上げるとホックリとして、お芋のような食感に。切り方や火の通し加減によって、いろいろ違った味わいが楽しめるのが魅力です。
酢の物、煮物、和え物、すり流しといった定番料理に加え、油との相性をいかし、天ぷら、はさみ揚げ、れんこんチップスなど、使い道は実に多様。いずれの料理でも、切ったらすぐに酢水にさらすのが、色変わりを防ぐポイントです。
地元でも、さまざまな献立がありますが、その代表格といえるのが「岩国寿司」。藩制時代から親しまれている押し寿司で、酢れんこんの風味と軽妙な歯触りがいきる、見た目も美しい一品。武士たちが登城の際に持っていったことから、別名「殿様寿司」とも呼ばれ、お正月や祝いの席でもよく作られるそうです。

れんこんには、冬場の健康をサポートしてくれるビタミンCや食物繊維、粘り成分ムチンが含まれています。
そんな旬のれんこんを、食卓に取り入れてみませんか。