
初夏の味覚・アスパラガスはユリ科の多年草で、食用だけでなく、観賞用としても利用されています。食用アスパラガスの原産地は、南ヨーロッパからロシア南部にかけて。名前はギリシャ語で「新芽」を意味するasparagosに由来し、古代ギリシャ時代から栽培されてきたといわれます。日本に伝えられたのは、江戸時代。初めは観賞用としてオランダ人により長崎へもたらされ、1871年には北海道で食用の栽培が始められました。
アスパラガスは、土の中に長い根茎があります。食用にされるのは、毎年春に土の上に顔を出す若い茎の部分。袴と呼ばれる部分は、退化した葉です。グリーンとホワイトの2種類がありますが、実は同じ品種です。太陽の光に当てて育てたものがグリーンに、盛り土をして光に当てないで育てたものがホワイトになります。今回はアスパラガス栽培発祥の地とされる北海道の、羊蹄山麓を取材しました。

羊蹄山は、北海道西南部随一の高さを誇る姿美しい成層火山。130種類以上の野鳥が生息するなど、豊かな自然に囲まれています。日本百名山のひとつで、別名・蝦夷富士とも呼ばれます。山麓は肥沃な火山灰土と、山からの清冽な水に恵まれ、野菜栽培の好適地となっています。特に、昼夜の寒暖差が大きいことが、アスパラガスのほのかな甘みを生み出しています。
美味で名高い露地もののアスパラガスの旬は、5月上旬~7月上旬のたった2カ月。収穫は、グリーンアスパラガスの場合、畑からにょっきり生えたものを1本1本ていねいに鎌で刈り取ります。
ホワイトアスパラガスは、盛り土の中から熟練の技を使って掘り出します。栽培に手間がかかるため、生のものは、特に流通量もわずか。この時期にしか入手することのできない貴重品です。しかし、甘みの中にほろ苦さと香りが感じられ、しゃきっとした歯ざわりは、決して缶詰では味わえないため、一度は食してみたい逸品です。

アスパラガスは、ビタミンAを筆頭にCやE、Bなどのビタミン、カリウムなどのミネラルを豊富に含みます。一番の特徴は、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸を多量に含むこと。アスパラギン酸は、アスパラガスから発見された成分です。
新鮮なアスパラガスを見分けるには、穂先が締まり、緑の鮮やかなものを選ぶこと。今回お話を伺った「JAようてい」辻さんおすすめの食べ方は、シンプルなボイルです。根元の方の皮を薄くむき、グリーンアスパラガスは熱湯で、ホワイトアスパラガスは水からゆでます。どちらもマヨネーズ和えがよく合いますが、ホワイトは酢味噌和えやサラダ、グリーンはバター炒めやベーコン巻きにしてもおいしさが引き立ちます。
ほのかに甘いアスパラガスをさまざまな料理で楽しみ、初夏を感じてみましょう。
写真・資料提供:JAようてい、喜茂別町商工会