
全国屈指の枝豆の栽培面積を持つ新潟県で、黒埼地区は県下一の枝豆生産量を誇る新潟県の茶豆発祥地です。
茶豆は枝豆の一つですが、サヤのうぶ毛や豆の薄皮の色が少し茶色いことからその名が付けられたようです。
普通の枝豆に比べ、非常に香り豊かで味わい深いのが特徴で、なかでも「くろさき茶豆」は一度食べたら、あまりのうまさに止まらなくなるほどともいわれ、全国的にも人気の高い茶豆として知られています。
「くろさき茶豆」は、昭和初期に農家の娘さんが名産「だだ茶豆」で知られる山形県鶴岡市に嫁ぎ、里帰りの際に茶豆の種を譲り受けて小平方地区に普及し、さらに、昭和40年頃に黒埼村(現・新潟市)へと広がり、村長により「くろさき茶豆」と命名されたとか…。
その後、長年の種子選抜により新潟の気候と土壌になじんだ品種となり、現在では“枝豆の王様”とも呼ばれるようになりました。

茶豆は、糖分や旨み成分がほかの枝豆に比べ豊富に含まれ、甘み・風味の良さで高い人気を得ています。
黒埼地区の茶豆がおいしいのは、もともと富裕な土壌と自然に恵まれていたため。さらに、実入りが八分程度の茶豆を収穫するのも「くろさき茶豆」のおいしさの秘密。ややボリューム感が足りないと思われますが、糖分やアミノ酸(旨み成分)が最も充実している大きさであり、それが特徴のある甘みと香りを生み出しています。
また、“茶豆は鮮度が命”といわれ、収穫したその日のうちに販売されます。そのため「くろさき茶豆」も朝採りが基本。暗い早朝から、月明かりの中で収穫作業を始め、午前8時には出荷を済ませます。生産者の高度な栽培技術と努力が「くろさき茶豆」のおいしさを育んでいます。
毎年、8月20日頃に開催される「黒埼まつり」では、花火大会や伝統芸能などが楽しめるほか、農業まつりでは、旬の朝採り「くろさき茶豆」が人気を集めています。

一般的な枝豆は大豆の成熟していない実のことです。そのため、大豆の良いところ(良質のタンパク質や脂肪、ビタミンE、食物繊維などが豊富)と、緑黄色野菜の良いところ(β-カロテン、ビタミンCなどが豊富)を併せ持つ、類まれなる健康野菜です(表1)。
大豆特有のサポニンも含まれるので、体内の脂質の酸化を抑制し、血中コレステロール値を下げる働きがあります。
また、糖質をエネルギーに変えるときに欠かせないビタミンB1を多量に含むため、新陳代謝を活発にし、ビタミンCの量はトマトの約2倍。豊富なビタミンB1とともにアルコール分解を促進するため、夏の定番“ビールに枝豆”は、体にとっても合理的な組み合わせといえるでしょう。
枝豆は、ゆでる前に多めの塩でもんでおくと余分なうぶ毛が取れ、色よくゆであがります。「くろさき茶豆」の収穫期は7月下旬から9月上旬まで。旬の茶豆や枝豆を食べ、元気な夏を過ごしましょう。
大豆の良さである良質のタンパク質、良質の脂質が豊富なだけでなく、緑黄色野菜の持つβ-カロテンやビタミンCなども多い。
写真提供:新潟市黒埼支所、JA越後中央黒埼支店