
日本の東端に位置する北海道根室市は、秋のサンマ漁が全国に先駆けて始まり、『とろサンマ』といわれるほど脂がのっているサンマが捕れることで有名です。また、日本一早く日の出が見られる『納沙布岬』や特別天然記念物の『タンチョウ』でも知られています。
日本で捕れるサンマは黒潮周辺の海域で生まれ、成長とともに北上。初夏には餌のプランクトンが豊富な親潮水域に餌を求めて移動し、回遊しながら脂を蓄えます。
秋口になり、千島列島の沖合いから親潮の流れに沿って根室沖にやってくる頃のサンマは、丸々太り脂ものって最高に美味。根室のサンマのおいしさの秘密は、実はこのサンマの生態にあったのです。
サンマは鯉と同じく胃がない魚。飼育が難しく、イワシと同様に大衆魚なので養殖もなし。輸入量も昨年は約5%と、市場に出回っているほとんどを国産でまかなえる貴重な魚です。この秋は、そんなサンマを、もう少し見直してみましょう。

今回は根室市商工観光課長・菊地幹夫氏に、”根室サンマ祭り“についてお聞きしました。
「毎年9月に根室港で行われる”サンマ祭り“も平成15年の今年で11回目。昨年は3万6千人が訪れました。無料で提供される炭火焼きサンマは、設置された炭火台で、来場者に自ら焼いてもらいます。
初めて根室の新鮮な”ウロコ“のあるサンマを食べた方は、そのおいしさに驚かれます。昨年、提供されたサンマは約6トン。サンマのつかみ取り大会などもあり、夜にはサンマ漁船の集魚灯で会場全体をライトアップして、幻想的です」。
現在のサンマ漁は、サンマが光に集まる習性を利用した『棒受網漁』。夜、出漁して魚群を探し、船の左側の集魚灯を点けて魚をおびき寄せます。次に、右側から網を入れて左の灯を消し、右側の灯を点けて網の中へサンマをおびき寄せます。棒に取り付けた1枚の網で、まさに一網打尽にサンマをすくい上げるのです。
菊地氏に地元の方がよく食べるサンマ料理を尋ねたところ、
「炊き立ての新米に塩焼きのサンマは抜群の相性ですが、根室のサンマなら、刺身が一番」とのこと。
水揚げ量日本一。脂がのって新鮮な『根室のサンマ』の味は格別です。

昔から、秋にサンマが出回ると、カラダの調子が改善されることから「サンマが出るとアンマ師が引っ込む」といわれてきました。
主成分は良質のタンパク質ですが、サンマには話題のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富です。 さらに、ビタミンA、タウリン、若々しさをサポートするビタミンE、カルシウムやビタミンDなども多く含まれています。新鮮なサンマを塩焼きにして、ビタミンCの豊富なレモンや消化を助ける大根おろしを添えたり、体内でのDHAやEPAの酸化を防ぐβ-カロチンを含む緑黄色野菜やビタミンEの多いゴマなどの種実類と一緒に摂ると、さらに栄養効果は高まります。
写真提供:根室観光連盟、 根室市商工観光課