
熟したオリーブの果実を搾っただけでつくられるオリーブオイルは、人間が最初に手に入れたオイルといわれ、紀元前4000年頃にクレタ、キプロス、シリアで生産されていた記録が残っています。
地中海全域でオリーブが栽培されるようになったのは、紀元前3世紀のローマ帝国の時代。祭儀・食用・灯火・化粧品など生活のさまざまな場面でオリーブオイルが使われていました。現在では、世界中で愛用されているオリーブオイルですが、イタリアは質、量ともにトップクラスの生産地。なかでも、ローマ法王にも献上されたオリーブオイルで知られるのがサビーナ地方。今回はこの地方の生産者「ロザーティ社」を取材しました。

ラツィオ州リエーティ県サビーナ地方のオリーブオイルは、品質の高さからローマ法王にも献上されてきました。ロザーティ社のオリーブ畑はこのサビーナ地方の丘陵斜面に位置し、適度に乾燥した温暖な気候や石灰質の土壌に恵まれて、良質なオリーブが育ちます。
優秀なオリーブ栽培者であり、イタリア屈指のオリーブオイル鑑定士でもあるロザーティ氏の指導により生み出されるのが、今月ご紹介する贅沢な“エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル”です。その製法は、落実でなくすべて手摘みした果実のみを使用して、収穫後24時間以内にフレッシュなまま搾ります。4種類のオリーブをブレンドし、生産者自らボトリングするというこだわりから、年間2~3万本しか生産できません。
黄金がかった緑色、搾りたてのオリーブの果実ならではのフレッシュな香りと、味わいはさまざまな料理との相性も良く、貴重な名品として知られています。

オリーブオイルは他の植物油と比べて酸化しにくく、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸が約75%と豊富です。また、必須脂肪酸のリノール酸とリノレン酸も含有し(左図)、β―カロテン、ビタミンE、ポリフェノールなどの健康成分も含みます。イタリア人の元気の秘訣は、豊かな食材とオリーブオイルにあるのかもしれません。
果実をそのまま搾った精製されていないオイルを“ヴァージン・オリーブオイル”と呼びますが、なかでも“エキストラ・ヴァージン”は鮮度が高く、上品な味と香りを持つものだけに許される呼称。少量で料理を風味豊かに変える調味料として、さまざまな料理に使ってみましょう。
写真・資料提供:モンテ物産(株)、ロザーティ社