「チャンプルー」は、沖縄の食卓に
最もよく登場する伝統料理の一つ。
チャンプルする(混ぜ合わせる)ことで
生まれる味と栄養バランスは、
長年、亜熱帯で生きる人々の
健康と長寿を支えてきたといわれます。
中でも夏の健康野菜・ゴーヤーを使った
チャンプルーはその代表。
暑さを元気に乗り切るための自然の恵みと
調理の知恵が凝縮されています。

気温が上昇し、食欲が減退しがちになるころ、苦みと栄養価が増すゴーヤー(ニガウリ)。ビタミンCなどが豊富に含まれていることでも知られ、沖縄では古くから庭先などで自家栽培されてきました。
様々な料理に多用されますが、どの家庭でもよく作られるのがゴーヤーチャンプルーです。野菜のビタミンCは加熱すると損失しやすいのですが、ゴーヤーのビタミンCはほとんど壊れない特性があり、また他の食材と炒めることで苦みが和らぎ、美味しくいただけます。

ゴーヤーとともにチャンプルーの主役となる豆腐や豚肉も、沖縄の人々の健康と活力に欠かせない重要な食材。沖縄豆腐は、天然にがりを使い、ビタミン・ミネラルが多く含まれます。豚肉は、下処理として塊のまま長時間ゆでこぼし、余分な脂肪とアクを徹底的に取り除くのが大きな特徴で、チャンプルーでも、下ゆでしておいた皮付きの三枚肉(バラ肉)を薄切りして使います。
皮や脂身にコラーゲンをたっぷり含んだ豚肉は舌触りも滑らか。栄養豊富な沖縄豆腐とともに、歯の弱い方でも美味しくいただける、夏の優れたスタミナ源です。

もともと沖縄の食文化には、体に良い素材を一緒に組み合わせて摂る「相互補完」という考え方があります。
ビタミン・ミネラルが豊富な夏野菜と、良質な動物性・植物性のタンパク質、炒め油の脂質が過不足なく摂れるゴーヤーチャンプルーは、栄養学的にも実に理にかなった健康料理といえるでしょう。
最近では全国的に、ゴーヤーや豚バラ肉のブロックもずいぶんと入手しやすくなりました。身近な材料で手軽に作れ、ちょっとした工夫で本格的な味になりますから、この夏、ご家庭でも試してみませんか?