筍は、日本の春の味覚を代表する食材です。
書いて字のごとく、旬日(10日間)で
竹になることから、
古より強い生命力が宿る食べ物とされています。
特に早春の掘りたての独特の香りと食感は、
この季節ならではの味わい。
その風味と生命力を
そのまま体に取り入れる知恵を、
日本有数の産地・長岡京市で筍料理を指導する
並川悦子先生に教えていただきました。

冬の間、滋養をたっぷりためて、いよいよこれから育つエネルギーを充満させた春の植物の「新芽」たち。「筍」もその一つ。竹の地下茎から出る若芽です。その成長は非常に早く、まっすぐに伸びる姿は、昔から生命力の象徴でした。『竹取物語』ではかぐや姫が3カ月で成人になるように、竹には神秘的な特別のちからがあると考えられていたようです。
春の訪れを実感するには欠かせない筍。特にとれたての若い筍を食べるのは、その生命の息吹を全身に取り入れて一年の活力にしたいという願いが込められています。
筍の苦みに含まれる成分や、独特の風味を形成している特有のアミノ酸が、筍の驚異の成長力を支えているのです。

筍の栄養も風味も存分に味わえるのが、地上に出る直前に「ホリ」という独特の道具で掘り取った筍です。すぐにゆでてお刺身にすると絶品ですが、土中で蓄えてきた香気と精気を丸ごと味わい尽くすなら、生の筍を皮付きのままホイル焼きにするのが一番です。
皮の香りとシャリッとした歯ごたえは、旬ならではの醍醐味。サツマイモくらいの小ぶりの筍を使うと、中まで火が通り美味しさを閉じ込めます。下にオーブンを使った作り方をご紹介しましたが、屋外で焚き火をして焼くのも一興。
筍が出回り始めるこの季節、その楽しみ方は多彩ですが、新鮮な筍が手に入ったら、ぜひ作ってみてください。