とうがらしというと一般的に、
小さくて辛い野菜というイメージですが、
大型で甘みのあるとうがらしとして、
京都の人々に愛される「万願寺とうがらし」。
独自の栽培技術により育てられた厚い身肉には
夏を乗り切るための健康成分が詰まっています。

京都には、長い歴史と独自の気候風土の中で培われてきた伝統野菜が数多くあります。また、寺院の精進料理や懐石料理の食材として、より良質の野菜が求められたことで、古くから栽培技術が発達し、個性的で優れた野菜が生み出されてきました。
その代表の一つが、万願寺とうがらし。京都北部・舞鶴市の万願寺地区で、伝統野菜の伏見とうがらしと外国系の大型ピーマンが交雑して生まれたといわれています。栽培が始まったのは明治時代以降で、しばらくは門外不出の品種として地元で消費されていましたが、その品質や味わいの良さが広く好まれるようになり、平成元年、優れた農林水産物に与えられる「京のブランド産品」に指定されました。
人気とともに出荷量も年々増えて、近年では全国的にも入手しやすくなりました。
年間を通して栽培されていますが、旬は初夏から夏にかけて。まさにこれからが最盛期です。

長さ約14~17cm。大きくてボリューム感のある身肉は、特有の甘みと芳香をもち、肉厚でありながら柔らかいのが身上です。栄養的にも、ビタミンA・Cや、食物繊維が多く含まれています。
そのまま網で焼いて、かつおぶしとしょうゆでいただいたり、じゃこと甘辛く炊いたり、素揚げにしたりと、夏のおばんざいには欠かせない食材です。味わいの良さに加え、種が少なく調理しやすいため、和食はもちろん、イタリアンや中華料理の食材に使われることも珍しくありません。
煮て良し、焼いて良し、揚げて良し。幅広く味わえる万願寺とうがらしを、夏の食卓に取り入れてみませんか。