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沖縄調理師専門学校 校長。女子栄養大学家政学部卒業。沖縄の食文化・琉球料理・琉球菓子研究家。冊封使歓待料理、琉球菓子、ブクブクー茶を研究・再現。著書は『沖縄県風土記』(旺文社 琉球料理の部担当)、『ブクブクー茶』(ニライ社)、『日本一の長寿県に学ぶ健康長寿食』(女子栄養大学出版部 共著)。
沖縄の食は、「豚に始まり、豚に終わる」と いわれるほど、よく豚肉を使います。 しかし、かつて豚は大変貴重な食材だったため、 食べ切れない肉は塩漬けにして保存し、 長きにわたって大切に食べたといわれています。 夏の元気を支える沖縄の伝統食について、 琉球料理研究家の安次富順子先生に伺いました。
沖縄で豚が食された歴史は古く、中国に朝貢して貿易などを行っていた琉球王国時代に、冊封使(さっぽうし)と呼ばれる中国皇帝の使者をもてなす料理に豚肉が多く用いられたことから、豚の飼育が奨励されていました。 また当時、庶民も冠婚葬祭や農耕儀礼などの席では、家族や親戚が集まって食べる際のご馳走の一つとして、豚を食べることが許されたため、豚食が広く普及したといわれています。 「普及したとはいえ、庶民はいつでも豚肉を食べられるというわけではありませんでしたから、食べ切れなかった肉は塩漬けにしたり、ラードの中に漬けたりと、様々な保存方法が発達したのです」(安次富先生)
豚肉を保存する知恵として、現在でもよく作られているのが、三枚肉に塩をすり込み寝かせた『スーチキー』と呼ばれる塩漬け肉です。 「戦後、冷蔵庫が普及して、あまり作られなくなった時期があったのですが、“昔の食べ方の方が美味しかった”という声が挙がり、復活してきました。保存するという機能的な面だけでなく、熟成することで肉の旨みが増してくるのです」
良質なタンパク源であり、ビタミンB1を豊富に含む豚肉。三枚肉の皮や脂肪の部分には、コラーゲンもたっぷり含まれています。 「『スーチキー』にすると、塩が余計な脂肪分を落としてくれてヘルシーです。沖縄には“アンダガアキ(脂ぎれ)”という表現があるのですが、暑くて体力を消耗してしまう夏には、脂肪がエネルギーになるため、少し脂っぽいものが食べたくなります。脂は健康の敵と思われがちですが、ゼロではなく、上手に摂り入れるのが夏を乗り切る秘訣でしょう」 旨みと栄養が凝縮された『スーチキー』。冷蔵庫に常備しておけば、スープや炒め物の具材としても活用できます。ご家庭でも試してみませんか。
※昔は、保存したい期間にあわせて塩を加減して作っていました。現在では、使用する塩の量や気候などによっても変わりますが、冷蔵庫に入れておけば大体1カ月くらい保存できます。
スーチキーを何度か茹でこぼしながら、適度な塩分になるまで塩抜きをします。粗熱が取れたらスライスして、フライパンで両面に軽く焦げ目がつく位にあぶり、お好みでレモンやシークワーサーを絞っていただきます。