
初夏の訪れを告げるように朱色の実をつけるあんず。
原産地の中国では、杏仁(きょうにん)というあんずの種子を採取するために栽培されてきた歴史があり、果実を食べるようになったのは、日本では欧米の品種が導入された明治時代以降といわれています。
健康に役立つ豊かな成分が、体を芯から元気づけてくれます。

あんずは、種子だけではなく、果肉に含まれる健康成分も別格。特にβ-カロテンの100g中の含有量は、果物の中でも群を抜いています。β-カロテンは、健康を守る成分・ビタミンAに体内で変換されます。
また、酸味のもとのクエン酸や食物繊維も豊富です。

あんずの旬は6月から7月にかけての一時期。旬が短く、また日本で栽培されるあんずの多くは加工用で酸味が強いので、コンポート(シロップ煮)やジャムなどにして食されてきました。生のものを店頭で目にする機会はあまりありませんが、購入する時は、色鮮やかでツヤと張りのあるものを選びましょう。
保存性と栄養面では、生果以上に注目したいのが干しあんずです。干すことで、甘みや旨みとともに栄養成分も凝縮され、β-カロテンは約3倍、カリウムは6倍以上に増え、その栄養価はドライフルーツの中でトップクラスです。

干しあんずは、そのまま食べたりお菓子の材料にしたりと、アレンジ方法もいろいろ。コンポートにすると、生果とは違った美味しさです。
また、ぜひ試していただきたいのが、オレンジジュースなどで戻して使う方法。半生のようなやわらかさになり、酸味もプラスされます。デザートとしてはもちろん、干し柿のように刻んで白和えに加えるのもおすすめ。そのほかにも、フードプロセッサーにかけて肉料理や白身魚のソースとして使うと、料理の良いアクセントになります。
体に元気をくれる旬の恵みを、初夏の食卓に取り入れてみませんか。