7月から9月にかけて出回る「冬瓜」。夏が旬でも、冷暗所で冬まで保存できることから、その名がついたともいわれています。煮込むと、とろけるような翡翠色に変わる果肉には、暑い夏を元気に乗り切るために役立つみずみずしい健康成分が含まれています。

夏に旬を迎える〝ぶらさがり野菜〟の中でも、ひときわ大きく実を太らせて登場するのが「冬瓜」。ウリ科の中では、キュウリやスイカの陰に隠れがちですが、日本では古くから親しまれてきた野菜です。奈良時代には冬瓜の粕漬けが作られたともいわれ、これが奈良漬の原型という説も。「皮が堅固なのは、果肉の水分の蒸発を防ぎ、中心の種を守るため。命をつないでいこうとする強い生命力の証しです。だから収穫時のまま、長期に保存することができるのです」(内田 悟さん)

果肉にたっぷりと含まれた豊かな水分は、たくさん汗をかく夏の体にとっても、うれしい恵み。こもった熱を外に出して涼やかにする働きがあり、一種の暑気払いの役割を果たしてくれます。
「みずみずしい果肉は、やわらかく煮るとお腹にやさしく、食欲の落ちる夏にはぴったり。旬の野菜は、その季節に体が欲するものを届けてくれると改めて思います」(内田さん)

冬瓜を選ぶ時は、重みがあり、へたが中心にあるものを選びましょう。皮を厚くむいたら、煮くずれを防ぐため面取りをし、下茹でをすると苦味が取れて、口当たりもまろやかになります。「冬瓜は味が淡白なので、旨みの出る食材を使った和食の煮物がよく合います。だしを含ませるように、弱火でじっくり煮るのが調理のポイント。夏は煮てから冷やしていただくと、とろけるような清涼感が広がります」(内田さん)
夏の元気を支える旬のちからを、食卓に取り入れてみませんか。