「しそ」というと、青じそを思い浮かべるかもしれませんが、漢字で〝紫蘇〟と書くように、本来は赤じそを指す言葉。紫色の葉を病人に煎じて飲ませ、蘇らせたという中国の古い言い伝えに由来するともいわれています。赤じそは5月から出荷が始まり、6~7月が旬。その健康パワーを食卓に上手に取り入れる工夫について、料理研究家の大原 千鶴先生に教えていただきます。

日本に5000年以上前に渡来し、栽培されている赤じそ。梅干しや漬物、保存食などに昔から使われることが多い香味野菜ですが、健康維持に役立つ栄養素や機能成分がたっぷりと詰まっています。
ビタミンA・C・Eや、余分な塩分を排泄するカリウムなどのミネラルを含みます。さらに、紫の色素成分のアントシアニンは紫外線が気になる季節の力強い味方になります。

赤じその葉と塩だけで、なすやみょうがなどの野菜を漬け込む「しば漬け」は、京都・大原に古くから伝えられてきた伝統食。野菜の表面についている乳酸菌の働きを利用した発酵食品ですが、暑いさなかに雑菌を抑えて美味しい漬物ができるのは、大原の赤じそ特有の強い香りと殺菌力のおかげといわれています。
しば漬けに含まれる乳酸菌は生命力が強く、暑い夏を乗り切るための頼もしい成分です。

赤じそが本格的に出回る時季に、産地でよく作られているのが赤じそジュースです。
食卓に爽やかな味と香りを届ける旬の素材。すっきりとした酸味と、美しいルビー色に凝縮された豊かな成分で、体の中から活力が蘇ってくるようです。
赤じそのちからで、毎日を元気に過ごしましょう。