さやの先が空に向かって伸びるため、その名がついたといわれる「空豆」。おたふくに似たふっくらとした粒には逞しい生命力がぎっしりと詰まっています。成熟し、旨みも栄養価も増してくるこの時季に、夏に向かう元気を体の内側から支えてくれる豊かなちからをたっぷりと摂り入れましょう。

大地からどんどん伸びていく空豆はインゲン豆の一種で、生命力がとても強い植物です。豆はその種子であり、いたるところで芽を出し繁殖する「生命力の源」です。エジプトでは4000年ほど前から空豆が栽培されていたといわれており、そのちからは古代の人々にとって命をつなぐ食の原点でもあったようです。

栄養面でも空豆には、タンパク質や炭水化物、ビタミン、ミネラル分などの栄養素が多く含まれています。特に豊富なビタミンB1・B2からは、じめじめとした梅雨の時季に負けないための元気を補給することができます。
ただ、空豆は風味が豊かな一方で、とてもデリケート。さやから出すと味が落ちるため、調理の直前に取り出しましょう。茹でて食べる時は、湯の表面が揺れる程度に沸いたら豆を入れ、沸騰させず約5分茹で、ザルにあげてから塩を振るのが甘味を引き出すコツです。
また短い旬(3〜6月)の間でも、その味わいは変わります。走り(出始め)は水分が多くみずみずしい味わい。盛り(出荷の最盛期)から名残(終盤)にかけて薄皮が厚くなり、水分も減りますが、成熟期ならではの濃厚な風味とほっくり感が楽しめます。

炒めても、天ぷらにしても美味しい空豆ですが、名残に向かう時季にぜひおすすめしたいのが「ポタージュ」。豊かな旨みとちからが凝縮され、体の奥から元気が湧いてくるようです。
また、土に植えれば芽を出す豆類と芋類は相性が良く、組み合わせると絶妙な味わい。空豆の新しい魅力に出会ってみませんか。