日本を代表する淡水魚で、秋から冬にかけて美味しさが増すわかさぎ。「公魚」と書くのは、徳川幕府に献上された「ご公儀の魚」だったことに由来します。身はもちろん、頭も骨も内臓も丸ごと美味しく食べられるので、骨や歯に大切なカルシウムやビタミンDもたっぷり。一匹丸ごとの生命力を食して、今年も元気なスタートを!

わかさぎというと、氷結した湖で穴釣りするイメージがあるかもしれません。しかし元来は、淡水と海水が混合する水域にすむ魚。茨城県の霞ケ浦と北浦は、海だった一部が陸地で仕切られた湖です。江戸時代、麻生藩が将軍家に焼きわかさぎを献上し、大いに喜ばれたことから将軍家御用達の魚となり、「公魚」と書くようになったといわれています。
見た目は優美ですが、実は生命力が強く、環境適応能力に優れた魚。卵も丈夫なため、大正時代以降、諏訪湖や山中湖などに移植されても無事育ち、全国に広まりました。

冬が旬のわかさぎは、ピンと張りがあり、身も大きくて、内臓の苦味が弱いのが特長。丸ごと美味しく食べられ、栄養が無駄なく摂れます。
特にカルシウムが豊富なことはよく知られていますが、ビタミンDが含まれている内臓ごと食べられるので、効率よくカルシウムを吸収することができます。必須脂肪酸のDHA・EPAが、淡水魚の中では比較的多いのも特徴です。

わかさぎ料理といえば、天ぷらやフライ、佃煮などがありますが、釜あげを天日干しした「煮干し」は、霞ケ浦周辺に伝わる郷土食。だしを取るためではなく、お好みでしょうゆをかけて、おかずやお酒のさかなとしていただきます。
旬のわかさぎは、レモンや香味野菜とも相性がいいので、様々な調理の工夫で味わってみませんか。