
茶藝館とは、お茶を通して伝統的な中華文化に親しむこと、生活を心豊かに暮らすことを目標に、お茶の作法や関連する文化を市民へ広げる役目を果たす空間です。喫茶文化は、古く南宗時代からありますが、台湾の茶藝館はとくに主人の美学が反映されていて、さまざまなスタイルがあるそうです。また、台湾産のお茶の品質が飛躍的に向上したことも、茶藝館発展の大きな要素となりました。

茶藝館でお茶を囲むひとときに欠かせないのが、手で気軽につまめるお茶うけです。塩やスパイスで味付けした西瓜や南瓜の種、落花生などのナッツ類、干し梅をお茶や蜂蜜などに漬け込んだ茶梅、南国のドライフルーツなどが、茶具とともに卓上に並びます。
日本のお茶うけとはやや趣がことなりますが、ほどよい塩気や酸味が台湾茶の香りや味わいをいっそう引き立て、後をひくおいしさ。つまんでは杯を重ね、台湾の人たちは仕事の打ち合わせをしたり、友人たちと楽しいおしゃべりの時間を過ごします。
(手前)烏龍茶に漬けた「茶梅」。爽やかな甘味でお茶うけの定番。(中)ドライグァバ。独特の酸味とほのかなえぐ味がお茶の風味を引き立てます。(奥)西瓜の種を醤油などで味付けしたもの。表皮を前歯で噛み割り、中身を食べます。
[九份 九份茶坊]にて

本格的な茶藝館では、お茶うけとして、自家製の菓子もよく出てきます。小豆や緑豆の飴などを餅で包んだ生菓子や、胡麻団子などの揚菓子、クッキーなどの焼菓子など種類もいろいろです。中でも中国宮廷菓子の流れをくむ生菓子は、見た目も華やかで上品な甘さ。とくに発酵が浅い烏龍茶の清新な風味によく合います。
また、発酵度が高い烏龍茶は、チーズケーキやタルトなどの洋菓子とも相性がよく、最近はそうした”中洋折衷”の組み合わせを楽しめるお店も増えてきています。
焼菓子や揚菓子は、自宅で友人をもてなす際にも、よくお茶うけに登場します。定番のおつまみ類に、ひとつ手製のお菓子を加えると、お茶の時間がより愉しく、豊かなものになります。そのゆったりとしたリラックス感と、清々しい幸福感こそ、台湾茶のいちばんの魅力といえるでしょう。

"美食の国"台湾では、お茶を料理にも上手にとり入れています。例えば、茶葉で肉類を煮込むと、余分な脂っぽさが取り除かれて、仕上がりも柔らかです。茶藝館の中には、そうした茶葉の特性を活かした「茶葉料理」を出す店もあり、人気を集めています。
料理とお茶といえば、「飲茶」も有名。高発酵の烏龍茶などを飲みながら食べることで、脂っこい料理でもあっさりといただけます。これも実に理にかなった"茶食の知恵"といいえるでしょう。

豚バラ肉をプーアール茶で煮込んだ「プーアールトンポウロウ」は代表的な茶葉料理。
[台北 竹里館]にて