
独特の粘りが特徴の夏野菜「オクラ」。花の美しい芙蓉や綿と同じアオイ科の仲間で、ハイビスカスによく似た黄色い花を付けます。花の後にできる実を若いうちに摘んだものがオクラです。
原産地はアフリカの北東部。エジプトでは紀元前2世紀頃から栽培されていたといわれています。日本には江戸時代末期にアメリカから渡来しますが、当時は青臭い香りや食感が好まれなかったようです。現在では、英語名の「オクラ」で呼ばれていますが、和名では「アメリカネリ」、フランス語では「ガンボ」といいます。
熱帯性の1年生で、高温、強光下で高さ1~2mほどまで生育し、普通のオクラのほかに赤オクラ、ミニオクラなどさまざまな種類があります。今回は沖縄の伝統野菜、円筒状で大きめの「島オクラ」を東風平町で取材しました。

東風平町は、沖縄本島南部のほぼ中央に位置した内陸の町。肥沃な土壌に恵まれ、古くからサトウキビを中心に農業の町として栄えました。近年では野菜、花卉、果樹の栽培が増え、有用微生物群を活用した人間にも自然にもやさしい農業を展開しています。
そんな東風平町のオクラの生産高は県内一。普通のオクラは五角形ですが、島オクラは角がない円筒状。沖縄では長さが20cm以上になってから収穫されますが、大きくなっても柔らかく、筋っぽくならないのがおいしさの秘密です。
島オクラは、沖縄の太陽をいっぱいに浴びて光合成を行う一方、強い紫外線から自らを守るために、抗酸化成分であるポリフェノールを生成します。朝に小さい実も、夜には収穫できる成長の早さがそのパワーの証です。
「オクラは1日でも相当伸びるよ。元気旺盛。とにかく太陽の光が大好きでね。パワーをいっぱい浴びているから、食べると元気になれるよ」(オクラ農家の皆さん)。 また、東風平町には伝統や文化が根付いており、多くの伝統芸能が今も脈々と受け継がれています。

昔から、ネバネバした食品には健康に役立つ多くの効果が知られています。オクラの特有の粘りには、タンパク質の吸収を助ける働きが知られるムチンや、腸の働きを整える食物繊維のペクチンなどの成分が主に含まれています。
また、オクラにはβーカロテンやビタミンB、C、Eが豊富なだけでなく、カルシウムや鉄なども含有。さらに、抗酸化成分であるポリフェノールも含むなど、スタミナ不足になりやすい夏におすすめしたい食材です。
緑色が鮮やかで、均一なうぶ毛で覆われ、皮が柔らかいものが新鮮です。うぶ毛は水洗いして塩をまぶし、手でこすると簡単に取れます。粘りが苦手な人は、ゆでるか煮るかして取り除いてもいいですが、整腸作用を期待するなら、さっとゆでる程度がおすすめです。
オクラは生で食べても、天ぷらやスープなど加熱してもおいしくいただける万能選手。暑さを吹き飛ばすスタミナ野菜“オクラ”で、元気に夏を過ごしましょう。
写真資料提供:東風平町役場・経済課