三徳六味(さんとくろくみ)

旬を尊び、淡味(たんみ)を生かす。自然すなわち法なれば。

『典座教訓』には「料理には三徳と六味を備えなさい」と書かれています。三徳とは、「軽くあっさり」「清潔でさっぱり」「正しい手順でていねいに」という心得。六味は「淡い」「塩からい」「辛い」「甘い」「酸い」「苦い」という六つの味。これを意識することでおのずと、おいしくて見た目もよく、また栄養的にも優れた、心身を養う料理になるのだと、三好典座はおっしゃいます。

淡い味を大切にすると心身に健やかな料理になります

六味は、道元禅師が修行をした中国に古くから伝わる五行思想が基本になっています。
「苦・酸・甘・辛・鹹(塩からい)」それぞれ五つの味には、
五臓や五感の機能を高める働きがあり、
五味が調和した食事が体によいという考え方。
それに「淡」を加えたものが、永平寺で大切にされている六味です。

三好典座はその中でもとりわけ、素材の味がわかる淡い味を大切にされています。
ひと口食べておいしいと感じる味ではなく、
食べ終わってからじわじわとおいしさを感じる返り味、
滋味ともいい換えられます。

ごま・麦・大豆をたっぷりそれに、季節の野菜を

永平寺の食事は、お肉と魚とねぎ類を口にしない以外は
「こうでなければならない」という決まりはありません。

「ごま・麦・大豆を基本に、できるだけ地元でとれた季節の野菜を使い、
食べる人の気持ちになって作ることを心がけています。
そうすればおのずと、心も身もいやされるおいしい料理になります」

ごま豆腐 淡(たん)

素材の持ち味を生かした淡い味。舌においしいのではなく、身体においしい滋味ともいい換えられる。精進料理を代表するごま豆腐が、その一つ。

昆布の佃煮 鹹(かん)

塩・醤油・味噌などで味付けした塩辛い味の料理。永平寺では、だしをとったあとの昆布や椎茸も、おいしい佃煮に。また、沢庵も毎日出される。

ふきの辛子酢味噌かけ 辛(しん)

寒さが厳しい永平寺の冬。辛子・唐辛子・生姜などの辛みを効かせた料理が、修行僧たちの健康を支えてくれる。写真は、ふきの辛子酢味噌かけ。

さつま芋のみかん煮。 甘(かん)

エネルギー源でもある甘みは、砂糖ではなく、芋類・豆類・かぼちゃ・果物など、素材そのものの甘みを生かした味付けで。写真はさつま芋のみかん煮。

干し柿と大根と人参のなます 酸(さん)

酢の物や甘酢炒め、あるいは柑橘類を使った酸っぱい味の料理は、疲労の回復をうながす。写真は、干し柿と大根と人参のなます。

塩ゆでしたこごみにごまと醤油をかけたもの 苦(く)

『春の料理には苦みを盛れ』といわれるように、春の山菜は苦みが持ち味。写真は、塩ゆでしたこごみにごまと醤油をかけたもの。夏なら苦瓜も。

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