イギリスの陸軍軍楽隊の隊長フェントン指導のもと正式に吹奏楽を伝習した薩摩藩の藩士たち。
出典:丸善雄松堂刊『The Far East』1870年7月16日号
古代エジプトの壁画には、すでにラッパや太鼓を鳴らし行進する人々が描かれていたそうですが、吹奏楽の編成らしきものが現れたのは11世紀末の中世ヨーロッパ。十字軍との戦いで、トルコ軍の楽隊が、打楽器やシンバルなどのけたたましくも勇壮な演奏で味方の兵士たちを鼓舞し、十字軍を悩ませたのだとか。ここから「戦いの士気を高める」ための軍楽隊が隆盛し、木管楽器や金管楽器、打楽器から成る吹奏楽団の形に。戦場での、歩きながら、ときには馬上からの演奏にも対応した“演奏のしやすさ”が、吹奏楽の楽器編成の元になったとも考えられますね。
一方、日本で正式な吹奏楽団が作られたのは、明治時代になってからのこと。薩摩藩の藩士たちがイギリスの軍楽隊の隊長に指導を受け、明治天皇の御前で演奏したのを契機に、陸・海軍の軍楽隊によって多くの西洋音楽が紹介されていきました。
戦後になると私設の吹奏楽団や、警察・消防の音楽隊による公園や広場でのセレモニー的な吹奏楽演奏も増え、文化活動としても普及していきます。