笑顔で出迎えるサントリーホールのレセプショニスト
そのあたりの経緯について、サントリーホール広報部に話を聞きました。
「新たなコンサートホールを造るにあたり当時の社長であった佐治敬三が世界中のコンサートホールを見て回った中で、休憩時間にバーコーナーでお酒を飲む習慣や、お客様への手厚いサービスにとても感銘を受けたことが現在のコンセプトにつながったようです。バーコーナーでは、休憩時間を楽しんでいただくために、ワインはもちろんコーヒーの温度にまで気を使っています。音響へのこだわりはさらに強く、完成後も音響反射板の微調整などを含めたさまざまな改良が行われています。
さらには、壁面にウイスキーを貯蔵する樽の材料であるホワイトオークを使い、ステージ上のシャンデリアのデザインはシャンパングラスに立ち昇る泡をイメージしていることなども、洋酒メーカーならではのこだわりです。当初設置する予定がなかったパイプオルガンは、『オルガンのないコンサートホールは家具のない家のようだ』というカラヤンのアドバイスによって導入が決定し、今やサントリーホールの顔ともいうべき存在になっています。このような想いの積み重ねによって『サントリーホールに行ってみたい』と言われるお客様が増えたことは大きな励みになっています」。
今では多くのコンサートホールや劇場で普通に行われているサービスが、30年前には初めてのことばかり。サントリーホールの誕生は、日本のクラシックの歴史におけるエポックメイキングな出来事だったのです。