手・足・頭をフル回転させて演奏するオルガン。
一台一台、構造も個性も微妙に違うオルガン。通常はホールに鎮座し動くことのない楽器ですので、奏者は行く先々のホールでオルガンと対峙し、その場で音を作り上げます。
「丁寧に呼吸するように、鍵盤を扱います。鍵盤を強く押したからといって大きな音が出るわけではありません。特に重要なのは指を離すタイミング。それで音の印象も変わってきます」。山口さんは、まず頭で出したい音をイメージし、鍵盤やストップを駆使しながら観客に届く音の響きを想像し、ホールの広さも考慮しつつ演奏する音色を決めるといいます。
「さまざまな種類の音を組み合わせながら、残響や客席との距離も計算して…手・足・頭をフル回転させて演奏します。オルガニストは奏者でありながら、音楽全体をオーガナイズする指揮者に似ているかもしれませんね」。オルガンの演奏は、全身の神経を研ぎ澄ませ、一期一会の真剣勝負。とても体力を消耗するそうです。毎回、最高の音を作れるように、日々の健康管理は欠かせないんだとか。
サントリーホールでは年間を通じてさまざまなオルガンのコンサートが開催されています。
山口さんが「魅せられた」という荘厳なその響きに触れてみませんか?