ドイツ人医師シーボルトがオランダから持ち込んだ日本に現存する最古のピアノ。
熊谷美術館 所蔵
18世紀以降、一握りの上流階級の楽しみだったクラシック音楽は市民たちの間にも広がり、この時期、楽器の発展・発達にも目覚ましいものがありました。なかでも広い音域と豊かな表現力を持つピアノは、偉大な作曲家たちを魅了すると同時に存在感を増していきます。「第九」や「運命」などダイナミックな交響曲で知られるベートーヴェンも、音楽家としての成功はピアニストから始まり、数々のピアノ作品を残しています。
19世紀に入ると、ピアノの持つ優れた音楽性を引き出し“ピアノの詩人”と呼ばれたショパンや、超人的な演奏でピアノの楽器としての可能性を広げたリストの活躍により、ピアノはコンサートの花形楽器となっていきます。
フィレンツェで発明された当初は54だった鍵盤の数も現在と同じ88まで増え、より華麗で感情表現豊かな鍵盤楽器に成長し、19世紀半ばにほぼ現在の形になりました。